文科省「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」HPCI戦略分野2「新物質・エネルギー創成」

計算分子科学イニシアティブ(CMSI)計算分子科学研究拠点

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拠点長あいさつ

計算物質科学,分子科学分野関係者各位

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TCCIは、「分子研・計算分子科学研究拠点」の略称です.Theoretical and Computational Chemistry Initiativeの頭文字で、英語名にはTheoreticalがわざわざ入れてあります。

2011年4月からの5年間、計算科学研究機構(理研)のペタフロップスマシン「京」を同心円の中心として配された他分野との連携を行いつつ、超並列計算機による大規模計算分子科学研究を主業務とし、実験研究者や産業界との連携、次世代育成などを含めた分野振興などを核とする活動を行っていきます。

文科省は、「京」の設置を機に、全国の大規模計算機の連携関係を構築するとともに、利用者側の態勢を整備し、単発的な計算機開発ではなく、永続的な計算機利用環境の発展を企図する措置を開始しました。その一つに、「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」があり、戦略的研究分野としては、以下の5分野が選定されています。

  • 分野1:予測する生命科学・医療および創薬基盤(理研)
  • 分野2:新物質・エネルギ創成(東大物性研、分子研、東北大金研)
  • 分野3:防災・減災に資する地球変動予測(JAMSTEC)
  • 分野4:次世代ものづくり(東大生産研)
  • 分野5:物質と宇宙の起源と構造(筑波大、高エネ研、天文台)

上の各項目の最後の括弧の中の組織名は、それぞれの戦略分野において中心的な役割を果たすいわば担当機関であって、戦略機関と呼ばれています。

第2分野「新物質・エネルギ創成」は、東大物性研が代表機関となって、分子研、東北大金研の三つの戦略機関が、それぞれ物性科学、分子科学、材料科学を担当し、互いに分野の壁を超えながら強力に連携して展開することになりました。

この3機関を纏める形で、計算物質科学拠点(CMSI)が設置され、物性研に事務局が置かれています(統括代表:常行真司東大教授)。戦略機関としての分子研においては、冒頭に述べたTCCIが置かれ、2011年4月から正式発足したところです。

分子研の実験棟511号室から515号室がそれに当てられ、拠点長室(兼会議室)、事務室、三つの研究室からなる広いスペースで運用されますが、経費としては、本来の分子研予算とは独立に運営されます。因みに、分子研の計算科学研究センターは、HPCIにおいて資源提供機関としての役割を果たすことが期待されており、分子科学コミュニティへの計算環境の提供に加えて、CMSIへの一定の寄与を行うことになっています。

とはいえ、CMSIもTCCIも突然発生したわけではなく、全国の理論・計算化学者が研究立案それに伴う実施可能性予備調査などに長時間を費やし、分子研の諸先生方の取り纏めを主とするご尽力をいただいて、形を成してきたものです。

2011年2月4日と5日には、岩本文科省研究振興局情報課長や平尾計算科学研究機構長などのご来賓をお迎えして発足の会を岡崎コンファランスセンターで行い、大峯分子研所長からTCCIの発足を宣言していただくとともに、本拠点のコンセプト、組織の概要、活動予定などの報告を行いました。当日は、大規模計算に関わる研究報告もいただくとともに、懇親会では多くの期待と熱い激励のお言葉を頂戴いたしました。

さて、もう少しTCCIの内容について述べてみたいと思います。先に書きましたように、文科省は、戦略分野に対しては、「京」を使った真に革新的な研究の達成を求めるとともに、戦略機関に対しては、そのサポートを含めた「分野振興」をミッションとして打ち出してきました。

ユーザー群のために一過性の利便性を提供するというより、次世代の計算機をも視野に入れた、分野と人材の育成に資する永続的な活動をすることを強く求めているわけです。

分子研はこれを積極的に受けることとし、他の2戦略機関とも密接に協力し、大学の枠を超え、活動を展開することになりました。それを担保するため、TCCIのなかに、研究支援、研究課題対応、人材育成、社会連携、資源提供、国際交流、広報などの部門からなる運営委員会を設置し、すでに活動を開始しております。

具体的な例としては、相当数の研究員の採用、量子化学や分子動力学のための冬の学校を初めとする研修会・勉強会の支援、諸研究会の開催などを行います。
特に、「理論・計算研究の重要な萌芽は実験研究の中に見出される。実験化学者にも「京」の恩恵を還元する。」という考えの下に、実験家との強い連携を図るための研究会、および、理論・計算化学の大学院生の企業へのキャリアパスを太く多くすることを長期的な目標に掲げ、企業内研究者とアカデミアとの交流や再研修などを視野に入れた産官学の連携研究会などを実施してまいります。

このような情報はTCCIのホームページに随時掲載されて参りますので、継続的にご覧いただきますようお願いいたします。
(因みに、CMSIのホームページはhttp://www.cms-initiative.jp/jaです。こちらも随時ご覧ください。)

今後ともTCCIの活動に積極的なご参加とご協力をお願いする次第です。

2011年4月
分子科学研究所・東京大学
高塚 和夫

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